こんにちは。master_kです。
この記事は、「投資に失敗したくない」、「投資に失敗したらどうしようと不安になっている」人のために書きました。
株式投資で大成功する人はほんの一握りの人間だけです。
言い換えるならば、ほとんどの人が平均的なリターン(年6-8%)で投資を終えると言えます。
でも、私は思います。大きな失敗をして、投資から撤退さえしなければ、年6-8%くらいの利益は固いのです。
それでも十分ではないですか?
というわけで・・・投資から撤退しないために、今回は、世界の投資の失敗例を紹介します。
また、投資ブロガーさんを見ていても失敗例を書いている人はあまりいない気がしますので、私自身の「失敗例」も紹介したいと思います。
※著名投資ブロガーさんの投資方法と資産額をまとめた”成功例”の記事はコチラ。
●これであなたも億り人 著名投資ブロガーさんの投資法分析
失敗例を学ぶことで、きっと成功するヒントにもなると思います。
というわけで、本文の前に有名なこの言葉を紹介しておきます。
~愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶ~
初代ドイツ帝国宰相 オットー・フォン・ビスマルク
目次
損失額第3位 ウォーレン・バフェット
第3位
投資者:ウォーレン・バフェット
損益額:10億ドル以上
損失第3位は、投資の神様、ウォーレンバフェットの損失です。
2008年、原油価格が好調で、バフェットはコノコ・フィリップス(ConocoPhillips Company、世界の6大石油会社のひとつ)という石油採掘・精製会社の株を買いました。
その額は、実に70億ドル!
※取得単価は一株82.5ドルで約8490万株。2008年末の保有量でこの量です。すべての株をこの年に買い付けたわけではないかもしれませんが
2009年、原油価格が値下がりし、コノコ・フィリップの株価は51.8ドルに落ちました。
この時の評価損は、なんと26億ドル。日本円で約2600億円です。
この後、バフェットは損切りをします。
(理由は、コノコ・フィリップ株の上昇を待つより、リーマンショックで急落した金融株を買うことを選んだからです。そしてこれは成功しています。)
以下は2008年バークシャー・ハサウェイ(バフェットの経営する会社)の年次報告書に記載された文章です。
-I told you in an earlier part of this report that last year I made a major mistake of commission (and maybe more; this one sticks out). Without urging from Charlie or anyone else, I bought a large amount of ConocoPhillips stock when oil and gas prices were near their peak. I in no way anticipated the dramatic fall in energy prices that occurred in the last half of the year. I still believe the odds are good that oil sells far higher in the future than the current $40-$50 price. But so far I have been dead wrong. Even if prices should rise, moreover, the terrible timing of my purchase has cost Berkshire several billion dollars.-
バークシャー・ハザウェイ HPより原文のまま引用 http://www.berkshirehathaway.com/2008ar/2008ar.pdf
拙いながら、訳してみます。
「この報告書の前半部分で既に述べたが、昨年、私は大きな間違いを犯した(おそらくこれ以外にももっとあるが、この件は飛びぬけている)。
チャーリー(バークシャーの副会長)や他の誰かが薦めたわけでもなく、私は大量のコノコ・フィリップス株を買った。
それも、石油や天然ガスの価格がほとんど最高潮の時にだ。
私はこの年の後半に起こったエネルギー価格の急激な下落を予測していなかった。
現在の40-50ドルの原油価格に対して、私は将来、はるかに高い価格で石油が売れると信じている。
しかし、これまでのところ、私は死んでしまったに等しい。
原油価格が上昇したとしても、私のひどいタイミングの購入により、バークシャーに数十億ドルの損失を出してしまった。」
私の拙い和訳で分かってもらえたでしょうか?
要するに高値掴みをして、評価損が膨らんだと言っています。
7000億円もの投資を独断で行うとは・・・すごい裁量と肝っ玉です。
ちなみに、バフェットと言えば、「私の好きな保有期間は永遠だ」という言葉が有名で、長期投資家のイメージがあります。
しかしながら、実際の彼は株式の平均保有期間わずか3.2年。ずっと保有している株はたった4社。世間のイメージとは程遠い、というのが真実です。
※master k調べ。1999年~2017年に売買した136社の株式の調査結果。興味のある方は下記、記事の末尾を参照下さい。
これを読んでいるあなたも、実際にデータを確認もせず、バフェット=長期投資家と思い込んでいませんでしたか??
そんなあなたは、投資で失敗するかも知れませんよ。いろいろ調べてみましょう!
バフェットの代弁をするならば、「理想を言えば永遠だけども、そう出来ない株がたくさんある」ということでしょうか。
それでは、この件の教訓です。
教訓:
・世界一著名な投資家ウォーレン・バフェットですら損をする(しかも大損)。
・大損が発生したら、株価が上がるまで待つか、他の株に乗り換える。
・自分が判断を誤ったら、ちゃんと認める(さすが世界一の投資家)。
損失額第2位 ウォルトディズニー
第2位
投資者:ウォルト・ディズニー
損益額:17億7千万ドル
ディズニーと言えば、アニメやディズニーランドを思い浮かべますが、
ABCやESPNといった報道会社も傘下に置く、巨大メディア企業です。
さて、そのディズニーがある野望を抱きます。
1999年 ウォルト・ディズニーはWebポータルサイト(YAHOO!のような検索、ニュース等が一体化したサイトです)のinfoseekを買収します。
そして、Infoseekを土台に、go.comというポータルサイトを立上げ、go.comにABCNews.com、ESPN.com、Disney.comなどを統合して、ポータルサイトのトップを目指しました。
要するに、YAHOO!に対抗出来るようなポータルサイトを作り、自社のユーザー獲得の窓口にしようとしたのです。
しかし、その目論見は失敗します。
infoseekの鍵となる優秀な人材は、Disneyの買収後に会社を辞めてしまいます。また、買収後Infoseekというサービス名をgo.comに変えたことで、ネームバリューが失われてしまいました。
infoseekの技術力頼みだったにも関わらず、人材が流出したことで技術力を失い、go.comを失敗させた上に、infoseekブランド(一日1400万ユーザーのアクセスがあった)までも無くしたのです。
かくして、ポータルサイトに失敗したディズニーは、go.comを縮小して、各種自社メディアにつながるリンクサイトとして残すことになります。
投資した17億7千万ドルは露と消えてしまいました。
それでは、今回の件の教訓です。
教訓:
・お金で技術やノウハウを全部買えると思ったら大間違い。
⇒技術や人材、サービスなど形の無いものにお金を支払うのは要注意!設備や有形資産と違って、価値がゼロになってしまうこともある。
損失額第1位 東芝
さて、いよいよ第1位です。
第1位
投資者:東芝
損益額:144億ドル!
みなさん、ご存知のこの一件で、東芝は経営破たん寸前まで追い込まれました。
2006年、東芝は54億ドルでウェスティングハウスという会社を英国核燃料会社会社から買収しました。
ウェスティングハウスは、アメリカで4基の原子力発電所を建設していました。アメリカの契約では、原発建設のコストが「定価」を上回った場合、建設者(ウェスティングハウス)が負担する契約になっていました。
2011年、東日本大震災によって、東電の原発事故が起こったため、原発の安全基準規制が強化されました。これが東芝の不幸の始まりです。
これにより、想定よりも建設費が増えてしまいました。この費用はウェスティングハウスが負担する必要がありました。
しかしながら、ウェスティングでは負担しきれず、親会社の東芝でも支払えなかったため、海外機関投資家に第三者割当増資を引き受けてもらい、関連会社を次々に売却することになりました。
※本当はもっと複雑ですが、簡略化しています。
日本ではこのような場合、電力会社が負担するので、こういう問題は起きません。東芝は、当然アメリカでの契約を知っていたので、このようなケースを想定出来たはずです。
教訓:
・リスクを過小評価していた
⇒個人の投資でも条件付きの高利回りの債券や、マンションの長期家賃保証(実は定期的に見直しがあり、当然のように保証額は減る)など、よく調査しなければリスクが低いかのように見える商品がたくさんあります。気を付けましょう!
私の投資の失敗例ワースト3
さて、世界レベルの事例を紹介した上で恐縮ですが、私の失敗例を挙げておきます。
第3位:ボロ株
ボロ株とは株価が1円~数十円の株のことを言います。
現在では、株価に小数点がつきますが、その昔、株価は1円単位でした。
というわけで、昔は1円の株が値上がりすると、最低でも2円になるのです。
100円の株が101円になったら、利益は1%です。でも1円の株が2円になったら、利益は100%です。
これを利用して儲けようとしましたが、見事に失敗。数万円の損失を出してしまいました。
教訓:
・株はゲームではありません。価値のある株を買いましょう。
そうそう。良い方法を紹介しますよ。
あなたがおいしい投資商品を見つけたら、自問自答してみてください。
「その投資は誰かを幸せにしているか?」
「その投資は何か価値を生み出しているか?」
もし、答えが”No”だったら、その投資は避けた方が良いです。
まず、儲けることが難しいですし、例え儲けられたとしても、それは誰かのお金を奪っているに過ぎません。そういう投資は失敗しやすいものです。
第2位:日本郵船
これは本当に恥ずかしい話です。
shameless(無恥)などというサイト名を使っていますが、語ることをためらってしまいます。
2008年、まだ投資を始めたころの話です。
私は、日本郵船(日本売上高1,2位の海運会社)の株を買いました。
当時、私のリサーチがいい加減だったので、「日本で1位か2位」の海運会社にも関わらず、「世界で1番大きい」海運会社と勘違いしていました。
リーマンショックで日本郵船の株価はどんどん下がりましたが、「どんなに技術革新が進んでも重い荷物は船で運ぶしかない。この先、貿易量が減ることはないのだから、景気回復後は絶対に株価は上がる。世界一の海運会社なんだし」と考えて、株価が下がってもナンピンし続けたのです。
結果、景気が回復しても株価は低迷したままです・・・
・・・
今となっては、なぜこのようなミスをしたのか分かりません。
というわけで、今日(2018.07.12現在)、23.4万円の含み損を抱えています。
※画像は単元株分です。さらに単元未満株分もあり、合計して23.4万円の損益です。
これ、そろそろ処分したいんだけどなぁ・・・
ちなみに、このミスをしたおかげ(?)で、私は企業のリサーチ方法の工夫を重ねて、今では伸びる株を高精度で見抜けるようになりました。
以下の記事に詳細を書いていますので、興味がある方や、銘柄選びで失敗したくない人は参考にしてみて下さい。
教訓:
・ちゃんと調べて株を買いましょう(恥)
・株価下がったら損切りしましょう(私はすごい下手です)。
第1位:東京電力
もはや説明の必要もないですね。
東日本大震災前に約1900円で購入して、現在520円です。
株価だけ見ると大損ですが、購入総額が少ないので、ダメージは小さく済みました。
なお、株価が100円ぐらいの頃に買い増して購入単価は982円になっています。
しばらく戻らないな、これは。
私は、この一件があってからは、分散投資を心がけています。
どんなに魅力的に見える投資先があっても、「1銘柄あたりの投資額を全資産の5%以下に抑える」ことを徹底しています。
言い換えれば、少なくとも20社以上に分散しているということですね。
良いですか?この記事の他のどの部分を読み飛ばしても構いません。でも、これだけは読んでほしい。10年投資を続け、大きなダメージを負うことなく資産を増やせた私からのアドバイスです。
大きな失敗をしたくないなら分散しましょう!
教訓:
・個別株は集中投資せずに分散しましょう。
いかがでしたでしょうか。
あのバフェットが大損をしていたり、ディズニーがメディアでも覇権を握ろうとしたり調べてみるといろいろ興味深いものですね。
以上で、今回は終了です!
M.F.Y
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