こんにちは、master_kです。
巷では高配当株投資や優待株、連続増配株投資が人気です。
今回の記事ではディフェンシブ投資とも言われる高配当株や連続増配株は儲かるのか?を日本株で検証してみました。
その結果、「いずれの投資方法もTOPIXより大きくアウトパフォームする」こと、「連続増配株が高配当株よりも圧倒的に儲かる」ことが分かりました。
それでは本文です。
目次
高配当株と連続増配株どちらが儲かるか
「高配当株と連続増配株、どちらが儲かるのか?」以下の前提で検証しました。
・100万円を原資とする
・原資全額で、2008年に高配当株、連続増配株それぞれ5社の株を均等購入する(20万円×5社)
・配当収入は全額再投資する(翌年の1月に一括購入する。購入比率は5社均等とする)
・この運用を2008年から2017年までの10年間行う
・高配当株5社の選定は、①売上高1兆円以上、②経常利益率5%以上、③同業種から1社のみとして、2019/1/4の配当利回り順で選定した
・連続増配株は、ZAIの2017年の記事から選んだ(以下リンク参照)
高配当株の銘柄は以下の通りです。
会社名 | 配当利回り |
日産自 | 4.45% |
みずほ | 3.92% |
積水ハウス | 3.85% |
三菱商事 | 3.83% |
NTTドコモ | 3.55% |
連続増配株の銘柄は以下の通りです。
会社名 | 配当利回り | 連続増配年数 | 配当増配率 |
花王 | 1.44% | 27年 | 108% |
明光ネットワーク ジャパン |
3.75% | 19年 | 233% |
SPK | 2.17% | 19年 | 58% |
三菱UFJリース | 2.87% | 18年 | 213% |
KDDI | 3.09% | 15年 | 437% |
※ZAI記事ではUSSという企業が2位にランクインしていましたが、配当金データがネットになかったので、6位のKDDIを使用しました。
※増配率は連続増配開始から2017年までデータです。
さて、前提が長くなりました。投資結果は以下のようになりました。
・高配当株は100万円から、153万円まで増えています。
・連続増配株は、なんと306万円まで増えています。
・どちらもTOPIXを大きくアウトパフォームしています。
※配当込みTOPIXのデータが無かったので、配当金2%と仮定して算出しました。TOPIXより高利回りな仮定のため、実際のTOPIXの成績はもっと悪いです。
というわけで、今回の比較方法では高配当株より連続増配株の方が儲かります!その差は約2倍です。
なお、連続増配株で得られた利益のうち大半が値上がり益であり、配当金によるものではありません。
連続増配できる=業績が安定して伸びているということであり、その企業価値が上昇しているということでしょう。
一方、TOPIXはここ30年でほとんど伸びていません。
インデックス投資や年金の運用の説明で、「株式は長期的には、右肩上りに上昇します」という説明がよくありますが、
日本はそうなっていませんので、TOPIXによるインデックス投資は避けた方が良いと思います。
※日本株のインデックス運用成績がイマイチな原因を知りたい方はコチラ
●日本株アクティブ型投信の運用実績がインデックスを超えた原因
さて・・・・次の章では、高配当株、連続増配株の配当収入がどれくらいかまとめてみました。
配当収入はどれくらいか
高配当株投資、連続増配株投資の配当収入がどれくらいかまとめてみました。
高配当株 | 連続増配株 | |
利益(万円) | 53.0 | 205.7 |
配当金累計(万円) | 27.9 | 48.4 |
配当金の占める割合 | 52.6% | 23.5% |
※得た配当金の累積値をまとめています。配当金再投資により購入した株価の値上がり益は含めていません。
結果は、
・高配当株の配当金は27.9万円。利益のうち約50%が配当金収入。
・連続増配株は配当金48.4万円。利益のうち約20%が配当金収入。
となりました。
というわけで、配当金額も連続増配株の方が多い!ということですね。
また、高配当株の場合は利益の大半が配当金によるもの、連続増配株は利益の大半が株価上昇であることが分かります。
※配当金と値上がり益に興味がある方は以下もおススメです。筆者の10年間の運用成績では、やはり値上がり益の方が圧倒的に大きいです。
●10年分の株式の配当金と売却益どちらが多いか?まとめてみた結果
ところで、高配当投資は、「株価下落しても配当金が得られることで安心できる」と言う方が多いです。
今回の場合は配当金だけで27.9万円の利益が得られています。最初に投資したのは100万円でしたから、仮に株価が27.9%下落しても利益は得られているということです。
また、今回の比較は100万円を投資して10年間追加投資なしという前提でした。
追加投資を行えば、さらに配当金が得られます。
例えば、毎年100万円追加投資して10年間運用すれば、原資は1000万円、累積配当金累積は約150~250万円になります。
1000万円投資して、これだけの配当金が得られていれば、株価が下がっても配当金で安心感が得られるかもしれませんね。しかも配当金は毎年受け取れますから。
まとめてみると、いろいろ分かるものですね。
個別銘柄の成績
最後に個別銘柄の成績結果です。
高配当株、連続増配株の個別の運用益は以下の通りです(配当金額+株価上昇益)。
これを見ると、みずほのみ赤字であることが分かります。みずほの業績が悪く株価が下落したからです。
また、連続増配株を見ると、とりわけ利益が高い銘柄があるわけではなく、どの株も総じて高い利益を出していることが分かります。
最後に、高配当株、連続増配株投資の注意すべき点を挙げておきます。
それは、「高配当株だから良い、連続増配株だから良いわけではない」ということです。
いずれの株も、競争力があり、安定した経営ができるから、高配当や連続増配が可能なのです。
したがって、企業業績が悪くなれば、高配当も増配もあり得ません。
事実、明光ネットワークは2018年に業績悪化で連続増配が止まっています。この会社学習塾(明光義塾)を経営していますが、少子化の日本では当然と言えば当然です。
このように、これらの投資法を選ぶ場合でも、個別株の業績や業界の成長性などを見極める必要がありますので、注意しましょう。
それでは、まとめです。
・高配当株、連続増配株投資は、いずれもTOPIXをアウトパフォームする良い運用方法である
・連続増配株の方が高配当株よりも運用成績が良く、その利益額は約2倍である
・配当金額は、連続増配株の方が高配当株よりも多い(意外)
・高配当株、連続増配株だから良いというわけではなく、個別企業の将来性はきちんと検証した上で投資をすべき
それでは、今回はこのへんで。
M.F.Y
●サイトマップへ